小笠原マルベリー

夜明・湾岸道路一周での自生植物(1)アカテツ


 

はじめに

 

夜明・湾岸道路一周で見られる自生植物は

90種類ほどあります。

それを、順に紹介していきます。

島一周 | 小笠原マルベリー (ogasawara-mulberry.net)

 

 

(1)アカテツ(アカテツ科・広域分布種)

 

小笠原でアカテツ科は

本種、コバノアカテツ、ムニンノキの3種です。

 

アカテツとコバノアカテツは

典型的なもの以外は同定が難しいです。

僕もあまりきちんとは同定できません。

コバノアカテツは低木林にあって、

混成するアカテツとは見分けが難しいです。

 

この道路沿いでも、混ざっているかもしれませんが、

コバノアカテツはリストには入れませんでした。

 

本種は高木林内でも低木林でも生えていて、

かなり広域に分布しています。

父島で野生化しているヤギの食害も受けにくいようです。

 

このルート沿いでは、

夜明道路沿いでよく見られ、湾岸通り沿いでも見られます。

 

小笠原諸島では各島で広く分布します。

 

 

 

 

和名

 

アカテツは「赤鉄」です。

 

たしかに葉の色からすると赤はぴったりです。

しかし、

もとは樹皮の色から「クロテツ」だったとのこと。

他の樹種との誤認から赤になったようですね。

 

テツ(鉄)は

材がかたいところからでしょうか?

アカテツ – Wikipedia

 

 

 

 

葉の色が独特

 

本種は新葉の赤味(赤茶色味)があるので、

遠目でもすぐ見分けがつきます。

新葉が出ていないときはやや黒ずんで見えます。

 

 

アカテツ遠望 新葉がでたころは一目で分かります

 

アカテツ近景 下にある古い葉は、表面は緑色になっています

 

 

 

 

 

アカテツは雌雄異株です。

花期に花を見れば雄株・雌株が分かります。

 

花は葉腋に多くつけますが、こぶりで地味です。

両性花の方が雌花より花の数は多いです。

 

両性花の花

両性花が実質雄花で、めしべの役目が退化しているようです。

 

同上

花冠は5裂、おしべ5,めしべ1です。

 

雌花 花冠開かず、花柱が突出

 

雌雄異株アカテツの両性花(雄花)と雌花

 

 

 

 

果実

 

雌花はのちに果実をつけます。

果実は直径1㎝ほどです。

熟れると黒っぽくなります。

 

 

 

 

 

 

見るには?

 

父島では各所に見られ、個体数も多いです。

葉の色が独特なので、

遠めでもすぐに気がつきます。

 

各種ツアーで紹介します。

 

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    この記事を書いた人

    吉井 信秋

    大阪市旭区生まれ。 茨城県立水戸一高で硬式野球部所属。 北海道大学農学部林産学科(現・森林科学科)卒業。 某企業に就職、栃木県鹿沼市の研究所に配属される。 数年後、異動により東京勤務。さらに数年後、依願退職。 その後、小笠原・父島に移住。 島でいくつかの仕事を経験後、2000年独立開業。 小笠原で山歩き、森歩き、戦跡などの陸域専門ガイドを勤める。

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