牧野富太郎氏命名のシマクマタケラン
目次
概要
牧野富太郎氏命名の
シマクマタケラン(ショウガ科・固有種)。
島内ではいたるところに
ゲットウ(ショウガ科・外来種)が見られます。
本種はそれほど分布も個体数も多くありません。
花がないと、
ゲットウとの違いも分かりにくいです。
ゲットウのほうが大きくなります。
シマクマタケランは
人の背丈以下ぐらいの大きさです。
さて花です。
円錐花序の先にいくつか花をつけます。
6月頃が花期となります。
(’20年は6月ごろ開花)
小笠原では自生ショウガ科植物は、
本種とイオウクマタケランの2種です。
イオウクマタケランは
火山列島だけの分布です。
シマクマタケランは
父島・母島で自生しています。
つまり小笠原群島では、
シマクマタケランのみがショウガ科自生種となります。
和名
シマクマタケランは
「島熊武蘭」と書きます。
小笠原(島)に生える
クマタケランの意味です。
クマタケランは
熊のように丈夫で、竹のような茎で、
蘭のような花をつけるという意味か?
実際の様子
ショウガ科特有の大きな葉が目立ちます。
ショウガ科は花のつくりが難しいです
簡潔に書くと、
花被片は6(萼片に相当の外花被3、花弁相当の内花被3)、
おしべ6,めしべ1
まず外花被3は花の基部に筒状になっています
内花被は白で3裂します
大きい唇弁は実は花弁ではありません
おしべ2が唇弁の形になったものです
唇弁には赤い線が2本入っています
おしべは外3、内3で計6です
外の3のうち1は退化し、2は唇弁の脇に付属片となっています
内の3のうち、2は唇弁に、
残る1つがおしべとして機能しています
棒状にのびているのが、機能しているおしべ1で、
めしべも一体となっていて、先端に柱頭が見えます
かなりわかりにくいですよね
果実は球形
中に種子が1つ
見るには?
父島では
中央山と千尋岩ルート沿いが見やすい場所です。
他には観光ルート沿いの自生地はほぼありません。
中央山は森歩きや景観ツアーで訪れます。
千尋岩は衝立山付近で見られます。
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