ヒメツバキ、花も見頃に(6月)
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ヒメツバキ、花も見頃に(6月)
概要
ヒメツバキ(ツバキ科・固有種)、小笠原村の花です。
6月頃から、徐々に花が見頃になってきました。
高木性の樹木で、
父島の山中では、人知れず巨木に近いような個体もあります。
ふもとの集落付近から山中まで父島ほぼ全域に分布しています。
低木林では少なめですが、ないことはないです。
分布が広いので、花期もかなりばらつきます。
一般論でいえば、
ふもとから咲き始めて、徐々に標高の高い方へと広がっていきます。
現在は使う人も少ないですが、ロースードという島名があります。
ROSE WOOD がなまったものです。
バラの花(の香り)のような樹木という意味のようです。
小笠原でツバキ科自生植物は本種のみです。
(ムニンヒサカキはサカキ科となっています。)
花と葉
今年(2020年初夏)は花の数が多いように感じています。
昨年はやや少なめで、なぜかそのあとの冬期によく咲いていました。
冬の開花は、10月に来た強い台風が影響したかもしれません。
花はチャノキ、ナツツバキなどと似ています。
1本の個体につける花の数はとても多いです。
花は乳白色5弁、おしべ多数、めしべ1です。
5弁とはいっても、整った5弁ではなく、
1つの弁がお椀型で小さくなっています。
他の4弁に比べ、痛んでくるのが早いように思います。
花の咲き始め、おしべは鮮やかな橙色ですが、
古くなった花だと黒みを帯びています。
すぐ見分けがつきます。
ツバキ科植物は葉に鋸歯があるのが普通かとお思います。
近縁種はイジュといわれ、イジュにも鋸歯があるはずです。
しかし本種にはまず鋸歯がありません。
こういうのも、進化の過程でなくなっていったものなのでしょうか?
(ちなみにヒメツバキの葉はノヤギの食害は受けにくいかと思います)
見るには?
本種は
ふもとから山地の方まで高木性の樹林でごく普通に生えています。
個体数は非常に多いです。
花期には各種ツアーでご紹介しています。
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