小笠原マルベリー

作家・中島敦は小笠原・父島に1日だけ訪れた


 

作家・中島敦は小笠原・父島に1日だけ訪れた

 

中島敦は南洋への旅の途中で、父島に立ち寄っています。

 

ただし、小笠原に上陸したのは、1936年3月25日、一日だけだったようです。

船は「橘丸」でした。

 

中島は若くして亡くなっていますが、

長生きしていれば、再度、小笠原を訪れる機会があったでしょうか?

 

中島敦全集3巻セット

http://www.chikumashobo.co.jp/product/9784480027504/

 

 

僕は3巻とも読みました。

中島の文章はとても読みやすいと思います。

題材は、中国の物語、南洋のことなどもあり、幅広いです。

 

さて小笠原がらみでいうと、短歌があります。

コウモリとトマトです。

 

中島敦全集Ⅰ、「河馬」に蝙蝠3首あります。

1首目はオガサワラオオコウモリのことです。
あとの2首はどうでしょう?

「小笠原の 大蝙蝠は 終日(ひねもす)を 

           蓑虫のごと ぶら下がりたり」

 

「昼を寝る 倒さ(さかさ)蝙蝠  よく見れば  

           狡げなる目を  あいてゐにけり」

 

「手の骨の 細く不気味(けうと)き 蝙蝠は  

          ひねこび顔に 何をたくらむ」

 
 
さらに、トマトについても3首あります。
現在人気のトマト、戦前もよくとれていました

「小笠原の 弥生はトマト 赤らみて 
        青水無月(あおみなづき)の 心地こそすれ」

「父島に トマト買へば 椰子の葉に 
         包みてくれし 音のゆゆしさ」

「トマト提げて わが行く道は 乾きたり 
         測候所の白き 屋根も見えくる」

 
 
 

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    この記事を書いた人

    吉井 信秋

    大阪市旭区生まれ。 茨城県立水戸一高で硬式野球部所属。 北海道大学農学部林産学科(現・森林科学科)卒業。 某企業に就職、栃木県鹿沼市の研究所に配属される。 数年後、異動により東京勤務。さらに数年後、依願退職。 その後、小笠原・父島に移住。 島でいくつかの仕事を経験後、2000年独立開業。 小笠原で山歩き、森歩き、戦跡などの陸域専門ガイドを勤める。

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