作家・中島敦は小笠原・父島に1日だけ訪れた
作家・中島敦は小笠原・父島に1日だけ訪れた
中島敦は南洋への旅の途中で、父島に立ち寄っています。
ただし、小笠原に上陸したのは、1936年3月25日、一日だけだったようです。
船は「橘丸」でした。
中島は若くして亡くなっていますが、
長生きしていれば、再度、小笠原を訪れる機会があったでしょうか?
中島敦全集3巻セット
http://www.chikumashobo.co.jp/product/9784480027504/
僕は3巻とも読みました。
中島の文章はとても読みやすいと思います。
題材は、中国の物語、南洋のことなどもあり、幅広いです。
さて小笠原がらみでいうと、短歌があります。
コウモリとトマトです。
中島敦全集Ⅰ、「河馬」に蝙蝠3首あります。
1首目はオガサワラオオコウモリのことです。
あとの2首はどうでしょう?
「小笠原の 大蝙蝠は 終日(ひねもす)を
蓑虫のごと ぶら下がりたり」
「昼を寝る 倒さ(さかさ)蝙蝠 よく見れば
狡げなる目を あいてゐにけり」
「手の骨の 細く不気味(けうと)き 蝙蝠は
ひねこび顔に 何をたくらむ」
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