小笠原マルベリー

夜明・湾岸道路一周での自生植物(72)オガサワラグミ


 

はじめに

 

夜明・湾岸道路一周で見られる自生植物は

90種類ほどあります。

奥村・旭橋から時計回りで、

主には見られた順に紹介していきます。

 

島一周 | 小笠原マルベリー (ogasawara-mulberry.net)

 

 

 

 

(72)オガサワラグミ概要

 

オガサワラグミは

常緑低木性ですが、枝がつる状にかなりのびます。

そのため、

ほかの樹木にからみついていることが多いです。

 

普段は地味な存在ですが、

花期になると甘い芳香が漂います。

 

同時期にはシマモクセイも花期ですが、

芳香のタイプが違っています。

 

夜明・湾岸道路一周での自生植物(2)シマモクセイ

 

オガサワラグミは固有種で、

父島列島各島や母島などに分布します。

 

小笠原でのグミ科植物は本種のみです。

 

このルート沿いでは、

主に長崎から長谷までの夜明道路で数カ所見られます。

 

島一周 | 小笠原マルベリー (ogasawara-mulberry.net)

 

 

 

 

和名

 

オガサワラグミは

「小笠原胡頽子(茱萸)」と書き、難しいです。

 

グミの語源はいくつかあるようです。

 

 

 

 

 

 

   花期は、11-12月頃です。

花の数はかなり多いのですが、小ぶりで、あまり目立ちません。

ただし甘い芳香が漂うので、それでわかります。

 

花弁のない花です。

萼片が4裂し、花冠状になっています。

 

花冠の外側は黄褐色の点状の模様がつき、

内側は黄白色です。

おしべ4、めしべ1です。

 

 

 

 

 

 

 

葉はこぶりで、対生です。

葉の表面に鱗片がつき、表は銀灰色、裏は銀白色や黄褐色。

表の鱗片はのちに取れていきます。

 

 

 

 

果実(偽果)

 

翌3月頃には、

赤くなった果実(偽菓)がみられます。

 

本種の果実は

萼筒部が果肉状に肥大した偽菓で、長さ2cmほどです。

 

食用になりますが、やや渋みがあります。

渋みが平気な方は、一度試してください。

 

 

 

 

見るには?

 

山の方に行けば、

各所にあり、道沿いでも生えています。

 

花の時期には

各種ツアーで紹介します。

 

森歩きはもちろん、島内観光でも紹介できます。

 

 

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    この記事を書いた人

    吉井 信秋

    大阪市旭区生まれ。 茨城県立水戸一高で硬式野球部所属。 北海道大学農学部林産学科(現・森林科学科)卒業。 某企業に就職、栃木県鹿沼市の研究所に配属される。 数年後、異動により東京勤務。さらに数年後、依願退職。 その後、小笠原・父島に移住。 島でいくつかの仕事を経験後、2000年独立開業。 小笠原で山歩き、森歩き、戦跡などの陸域専門ガイドを勤める。

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