夜明・湾岸道路での自生植物(21)オガサワラビロウ
目次
はじめに
夜明・湾岸道路一周で見られる自生植物は90種類ほどあります。
順に紹介していきます。
(21)オガサワラビロウ(ヤシ科・固有種)
オガサワラビロウは小笠原固有種です。
小笠原の各島で見られ、
父島の山地ではごく普通に見られます。
ヤシ科植物でまっすぐのび、5-6Mぐらいのが多いですが、
10M以上までのびるのもあるようです。
一部、低木林内では矮性化して低木状のものもあります。
小笠原の自生ヤシ科植物は
オガサワラビロウとノヤシの2種で,どちらも固有種です。
ちなみに日本の自生ヤシ科植物のうち、
日本固有は3種(オガサワラビロウ、ノヤシ、ヤエヤマヤシ)あります。
3種のうち、
上記のように、2種が小笠原固有ということです。
このルート沿いではおおむね全域で見られます。
和名
オガサワラビロウは
小笠原蒲葵(枇榔、檳榔)などと書きます。
小笠原のビロウです。
ビロウは東南アジアや日本の南部に自生します。
成長過程
葉が出てきた初期の頃 単子葉の特徴が出ています。
葉の形が整ったぐらいの状態 幹はまだほとんどのびていません。
幹が少しずつのびだしています。
この時点で幹の肥大成長もおおむね終わっていて、
あとはのびていくだけ
十分成長した状態。
樹形遠望
遠望すると、葉の色がやや薄くて、
葉の部分がこんもりした樹形になるのですぐ分かります。
花
花期は4-5月頃で、円錐花序の先に小さな両性花をたくさんつけます。
花期には、夜間、オガサワラオオコウモリが蜜を求めて訪れます。
花序
花
花冠はごくこぶりで淡黄緑色3裂、
おしべ6、めしべは離性心皮3(花柱は合着、柱頭はわずかに3裂)。
果実
冬場には果期となります。
果実は楕円形之球果で、青緑色です。
サイズは長径が3cm程度(ドングリより大きい)。
利用面
現在はほとんど利用がなくなりましたが、
かつては葉が屋根材に、幹は突きん棒漁の棒として、
さらに葉の新芽は食用にもなったということです。
単子葉の特徴
ヤシ科植物は単子葉植物です。
単子葉植物は草本が普通ですが、
ヤシ科やタコノキ科のような、
幹が木質化し、木本化したものもあります。
特徴としては
新葉(子葉)が1枚、葉が平行脈、維管束が分散、根がひげ根などです。
実際に見てみましょう。
単子葉なので子葉は1枚だけです 葉は平行脈です
根はひげ根の集まりです
幹の断面 維管束が分散し、初期の頃以外は、肥大成長しません
ツアーでは
道沿いでも、林内でも、普通に見られる樹木です。
おおむねほとんどのツアーで紹介できます。
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