夜明・湾岸道路での自生植物(27)モモタマナ
目次
はじめに
夜明・湾岸道路一周で見られる自生植物は
90種類ほどあります。
1種類づつ紹介していきます。
(27)モモタマナ(シクンシ科・広域分布種)
海岸林の高木性主要構成樹木の1つ、
モモタマナ。
小笠原では数少ない落葉樹です。
冬から春にかけて紅葉して落葉します。
落葉期はかなり個体差があり、
落葉が遅い個体は落葉後、すぐ新緑になるものもあります。
分布は広く小笠原の海岸付近ですが、
一部は内陸部にも分布します。
(人為やオオコウモリによる種子散布)
小笠原で
自生のシクンシ科植物は本種のみです。
この夜明・湾岸道路ルート沿いでは、
山地の方の夜明け道路時ではわずかに、
海沿いの湾岸道路では普通にあります。
島一周 | 小笠原マルベリー (ogasawara-mulberry.net)
和名
モモタマナは「桃玉名」と書きます。
由来は、果実が桃の種のような形で、
テリハボク(タマナ)似た樹木という説があります。
島名として
シマボオ(シマボウ)というのがあります。
これはシマのホオノキ(朴の木)という意味で、
ホオノキの葉に似ているところからです。
沖縄などではコバテイシともいわれます。
樹皮
樹皮の色は薄褐色、
海岸林ではタマナはより黒っぽく、ハスノハギリは白っぽいので、
本種はその中間的な色。
やや縦筋が目立ちます。
葉
葉は枝先にまとまってつきます。
サイズはかなり大型で、長さは普通20-30cm以上になります。
冬から春にかけて紅葉して落葉します。
落葉期はかなり個体差があります。
花
花期は5-6月で、穂状花序をのばし、小さな花を多くつけます。
両生花 おしべ10・めしべ1
両生花・雄花とも、5裂の花弁のように見えるのは5裂の萼片です。
花序の基部のほうは両生花ですが、先の方はほとんど雄花です。
両生花はおしべ10・めしべ1、雄花はおしべ10・めしべなしです。
花のサイズも両生花のほうがやや大きめです。
果実
名前の由来の通り、果実は桃の種のようです。
果実(上)はオガサワラオオコウモリによく利用され、
ペリット(下・食べかす)も近くに落ちています。
オオコウモリがかじるのは外側の部分だけですが、
ごく小さい中の種は食用利用できます。
見るには
海岸性の樹木なので、
海岸付近や海沿いの集落エリアで見られます。
ツアーでは
海岸を訪れたときに紹介したりします。
おもに景観ツアーでの紹介です。
山中にはごくわずかしかないので、
山のツアーではほとんど紹介していません。
森歩きで、
海岸林を訪れたときは紹介します。
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