夜明・湾岸道路での自生植物(31)チチジマイチゴ
目次
はじめに
夜明・湾岸道路一周で見られる自生植物は90種類ほどあります。
奥村・旭橋から時計回りで、主には見られた順に紹介していきます。
島一周 | 小笠原マルベリー (ogasawara-mulberry.net)
(31)チチジマイチゴ(バラ科・固有種)
小低木性の樹木、チチジマイチゴ。
地面をはうように群生して生えています。
和名で地名が入っていると、
その地域で発見やその地域特産ということが多いです。
このチチジマイチゴは
分布が父島だけの固有種です。
父島のみに分布する固有種です。
自生地も
長谷から北袋沢にかけてとかなり限定されます。
この自生地は
戦前に耕作地だったようなところです。
そのため、持ち込まれたイチゴの仲間が、
短期的に変化した可能性もあるのではと思います。
このルート沿いでは長谷でわずかに見られます。
他のイチゴでは、ハチジョウクサイチゴが、
固有種とされていて、のちに広域分布種となり、
さらに近年外来種とされた経緯もあります。
ハチジョウクサイチゴ
小笠原でイチゴの仲間の固有種は、
本種とイオウトウキイチゴの2種です。
イオウトウキイチゴは北・南硫黄島が自生地です。
和名
チチジマチゴは「父島苺」と書きます。
まさに父島に生えるイチゴですね。
花
花期は3-4月頃。
花弁は白、5弁のようですが、
たいてい写真のように重弁となっていて、
弁数がわかりにくいです。
5の倍数でしょうか?
おしベ・めしべ多数です。
おしべは長くのび、先に葯がついています。
めしべは中央部にまとまって白い糸状です。
めしべの内側には花托があり、
イチゴの赤くなる部分です。
葉
葉は3-5中裂、重鋸歯があります
5裂が普通です。
チチジマイチゴとハチジョウクサイチゴの違い
分布が違っているので、
この2種が混成して生えているところはほぼありません。
宮之浜道の植栽地は
混成して植えられてしまっています。
ハチジョウクサイチゴは
長谷以北の夜明道路沿いから北部道路沿いでよく生えています。
ハチジョウクサイチゴは、
葉がはっきりと3裂、花は白で5弁(重弁はない)です。
別名シマミツバキイチゴともいわれます。
ハチジョウクサイチゴの一部では
葉が2種の混ざったような形を見ることがあります。
ツアーでは
自然分布では長谷付近だけです。
道路沿いなので、車で移動時に紹介できます。
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