「終わらざる夏」(浅川次郎)
目次
「終わらざる夏」(浅川次郎)
概要
2010年発行、「終わらざる夏」(浅川次郎)
単行本は上・下2巻、文庫本は上中下3巻です。
終わらざる夏 上/浅田 次郎 | 集英社の本 公式 (shueisha.co.jp)
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『終わらざる夏(上)(下)』浅田次郎|担当編集のテマエミソ新刊案内|集英社eisha.co.jp)
「戦況も敗色濃厚な昭和20年夏、
3人の男に召集令状が舞い込み、北の孤島へ。
45歳の片岡。4度目の召集となる歴戦の兵・鬼熊。
若き医学生・菊池…。戦争の理不尽を重層的に描く渾身の長編。」
と紹介されています。
北の孤島というのは千島列島最北端・占守島(しゅむしゅとう)。
千島列島の島はなじみがないと、読みすら難しいですね。
日本はポツダム宣言受託し、8/15玉音放送で終戦(敗戦)を迎えます。
しかし、カムチャッカ半島のロシア軍は、それ以降に攻めてきます。
内容
実際の戦闘の場面は終盤のごくわずかです。
戦闘場面の記述は、それほど大きな意味はなかったかもしれません。
本書は
終戦間際に占守島に送られた3人の人物に焦点を当てています。
3人とは
45歳の翻訳会社勤務の片岡(通訳を期待)。
4度目の召集となる歴戦の兵・鬼熊(車の運転)。
若き医学生・菊池(医者として)です。
当事者の3人だけでなく、
彼らの身内などにも話しはふくらんでいきます。
そのため、場面は頻繁に変わっていきます。
全編を通じ、
戦争の理不尽さがよくあらわされている思います。
当時は戦争遂行のため、日本中が理不尽だったのだと思います。
決して、楽しい読み物ではありません。
終わりも決してハッピーではありません。
むしろ読んでいて、
先を読みたくないような気分にさせられる本でもあります。
でも、読まなくてはという感じでした。
ぽっぽや
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