雌雄異株のムニンヒサカキ
目次
概要
例年、3-4月が、
花期のムニンヒサカキ(サカキ科・広域分布種)。
’22年は、
3月中旬に雌株で開花を確認した。
かなり小ぶりな花で、
咲いていても、注意しないと気がつかないぐらい。
ただし、
花からはやや臭いようなにおいが漂ってくる。
(いわゆるガス臭い)
本種は雌雄異株の小高木。
雌雄は
花期に花のつくりを見ればわかる。
父島では、個体数はかなり少なめ。
夜明平から東平にかけて、ぽつぽつ生えている程度。
小笠原群島での分布は父島、兄島、母島など。
小笠原群島では、
サカキ科自生種は本種のみ。
ただし、
硫黄島などには、ヒサカキが自生するようです。
ヒサカキもサカキ科。
(要調査)
本種は、近年、
固有種から広域分布種となった。
同種がマリアナにも分布するよう。
内地のヒサカキとは違いがあるよう。
和名
ムニンヒサカキは「無人姫榊(非榊)」と書く。
小笠原に自生する(ムニン)ヒサカキである。
ヒサカキは、
小さい(かわいい)サカキ(榊)という意味。
サカキにあらずで、「非榊」とも書くようだ。
サカキは神とは関係ありそうだが、
いくつか説がある。
榊とは?名前の由来や種類を解説 – 神の樹 (kamino-ki.com)
実際の様子
まだ低木状の個体(村民の森にある雌株)
花ごく小ぶりで、
葉腋に1-3ずつぐらい花をつけます
花は乳白色5弁、
雄花・雌花とも、花弁の見た目は同じ
雄株の花(雄花)
おしべが多数で目立っています
正確な数はわかりませんが、10以上はあります
めしべ1も見えます
(退化しているかと思います)
雄花の拡大
雌株の花(雌花)
子房がふくらむめしべ1つが目立ちます
柱頭は3裂
めしべの周辺に退化したようなおしべが見えます
雌花拡大
果実
のちに黒熟する
果実の中には黒色種子が複数個
葉もやや小ぶりで互生
葉の縁は鈍鋸歯
葉の拡大
見るには?
地味で目立たない樹木。
普段はあまり紹介していない。
興味のある方はリクエストしていただきたい。
森歩きで訪れる。
東平や村民の森で見られる。
前の記事へ
次の記事へ