小笠原マルベリー

チチジマイチゴ植栽は自然分布を変える恐れあり?


 

 

概要

 

固有種とされるチチジマイチゴ(バラ科・固有種)。

3-4月が花期となります。

(’22年は3月中旬ごろから花を見ています)

 

夜明・湾岸道路での自生植物(31)チチジマイチゴ

 

父島だけに自生し、

分布がかなり限られています。

 

分布は

これまでの資料では長谷周辺だけです。

具体的には

北袋沢隧道から長谷ダム付近ぐらいまでです。

 

しかし、

複数の植栽地はそれ以外の場所です。

大神山公園、都道沿いの宮之浜道、八ツ瀬橋付近など。

 

本種は小低木性、

うまく定着しているところでは、周辺に広がっています。

開花して、結実すれば、

さらに広がることもあり得ます。

 

そういう状況を見ていると、

植栽地からさらに広がり、分布を広げる恐れがあります。

自然分布を変えるのではとちょっと心配しています。

 

そうなってしばらくすると、

誰もわからなくなり、それが自然分布と思われてしまいます。

できればそういうことは避けたいものです。

ご注意ください。

 

 

 

 

 

植栽地について

 

 

八ツ瀬橋沿い

 

小港園地のエリアです。

 

自生地には近いとはいえ、

もとは自生地していないエリアと考えます。

(要調査)

 

植栽地1

 

植栽地2

 

近景

 

 

 

 

 

 

 

宮之浜道(都道沿い)

 

道路法面工事の後の植栽で、

ハチジョウクサイチゴとチチジマイチゴが植栽

 

チチジマイチゴは自生しないエリアです

 

植栽地

 

近景

 

 

 

 

 

 

 

大神山公園(お祭り広場とヒメツバキ谷付近)

 

お祭り広場は花壇の植栽。

分布が広がる恐れはなさそう。

これは問題ないかと思います。

 

ヒメツバキの谷付近は地面に植栽。

大神山方面へ広がるおそれはあるかと思います。

やや不安なので、しっかり管理願います。

 

どちらも自生しないエリアです。

 

お祭り広場花壇

 

ヒメツバキの谷付近

 

 

 

 

 

 

 

 

 

植栽関係者にお願い!!

 

こういう植栽は

おもに行政機関(一部、民間も)が検討・実施するものです。

 

事前に自然分布や自生環境を考慮し、

適切な場所に植栽願います。

 

植栽で分布を広げてしまうのは、

本末転倒です。

 

かなり個体数の少ない絶滅危惧種や、

種の保存法指定植物は、その限りではありません。

 

またきちんと管理された公園などの植栽も

例外です。

 

チチジマイチゴの場合、

大神山公園は例外でしょう。

ただし、ヒメツバキの谷の植栽は、

隣接の大神山周辺に広がる恐れはあるので、

まめな管理をお願いします。

 

では、

関係者の皆様、よろしくお願いします。

 

 

 

 

 

参考

 

<提案>小笠原での自然保護地域における植栽の樹種選定について

 

この記事を書いた人

吉井 信秋

大阪市旭区生まれ。 茨城県立水戸一高で硬式野球部所属。 北海道大学農学部林産学科(現・森林科学科)卒業。 某企業に就職、栃木県鹿沼市の研究所に配属される。 数年後、異動により東京勤務。さらに数年後、依願退職。 その後、小笠原・父島に移住。 島でいくつかの仕事を経験後、2000年独立開業。 小笠原で山歩き、森歩き、戦跡などの陸域専門ガイドを勤める。

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