「ロシアについて」(司馬遼太郎)
概要
1986年発行、
「ロシアについて」(司馬遼太郎)。
2022年時点、
ロシアがウクライナを侵攻している現状、
ロシアの本質を知る参考になるかもしれません。
著者は
「坂の上の雲」、「菜の花の沖」と長編小説で、
ロシアのことを考え続けていたそうです。
ロシアについて
この本では
ロシアの国としての始まり、
ロシアがどういう風に領土を広がていったか、
などが時代ごとに書かれています。
ロシアは強いところとは戦わず、
弱いところを攻めて、領土を拡張していきました。
そして取ったものは返さない。
帝政の時代、
ロシアはトップの独裁国家でした。
社会主義国・ソ連のときも、プーチンのロシアでも、
本質は変わっていないかもしれません。
関連で、
モンゴルの遊牧民族との関係や
遊牧民族ががどうやって衰退していったか、
なども書かれています。
国が熟してくると、侵略という行為がなくなります。
そういう意味では、
まだロシア、中国は熟していないのですね。
どちらも新しい国ですからね。
ヤルタ協定
本文の最後の方では
ヤルタ協定に言及があります。
ソ連は参戦にあたり、
モンゴルの社会主義国としての現状維持、
日露戦争前の権利の回復、
千島列島の引き渡しなどを要求していたのですね。
この本が書かれたときは
千島とモンゴルをセットで考える必要がありました。
その後、情勢が変わったので、
千島は千島だけで考えられるのかもしれません。
著者は
日本政府が千島列島の返還を求め続けることの必要性も
訴えています。
しかし、国内で運動するのは好ましくないとも。
参考
司馬 | 小笠原マルベリー (ogasawara-mulberry.net)
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