小笠原マルベリー

夜明・湾岸道路での自生植物(73)シマイガクサ


 

 

はじめに

 

夜明・湾岸道路一周で見られる自生植物は

90種類ほどあります。

1種類ずつ、

特徴や見られる場所を紹介していきます。

島一周 | 小笠原マルベリー (ogasawara-mulberry.net)

 

 

 

 

 

 

(73)シマイガクサ(カヤツリグサ科・固有種)

 

常緑多年草のシマイガクサ。

 

草丈は50㎝以下程度です。

花茎がのびていないときは、

葉はややそるように生え、もう少し低めです。

 

花期は6月頃となっていますが、

ばらつきはあるようです。

 

カヤツリグサ科も、イネ科同様、

花期になると花茎をのばし花序がつきます。

本種の花序は栗のイガのように見え、

球形あるいは半球状です。

 

カヤツリグサ科の花茎は3角形です。

触ってみてください。

 

分布は父島、兄島、母島などです。

山地のやや湿性な林縁や岩場で生えています。

 

父島では、

観光ルートがあるようなところには少ないです。

 

東平では

湿地のような裸地に群生しています。

また初寝山の岩場でも生えています。

 

東平&初寝山(森歩き)

 

このルート沿いでは、

夜明道路沿いにわずかに生えています。

 

 

 

 

似た仲間

 

山地の方では

ムニンテンツキ(固有種)がやや似ています。

ムニンテンツキの方が葉がやや広めです。

個体差もあるので、

花序がないと区別が難しい場合があります。

ムニンテンツキの花序は細長いので、

容易に区別がつきます。

 

夜明・湾岸道路での自生植物(62)ムニンテンツキ

 

 

海岸に近い草地や空き地などで、

本種と似たものが生えていることがあります。

それはハマスゲ(外来種)です。

 

 

 

 

 

 

和名

 

シマイガクサは

「島毬草」です。

 

小笠原(島)のイガクサです。

 

イガクサは

花序が毬(栗の毬)に似ている草だからです。

 

イガクサ – Wikipedia

 

 

 

 

 

 

実際の様子

 

 

湿性の裸地に群生していてる状態

 

葉はかなり細く先も尖っています。

 

枯葉も残って一緒に生えていて、

そこが茶っぽい色に見えています。

 

 

花茎の先は頂生して1つだけ頭状花序がつきます

 

和名は

この頭状花序の形を栗のイガに見立てています

基部には

葉状の苞が複数ついています。

 

花は両生花

 

おしべは黄色味(あるいは乳白色)を帯びています。

先端は2-3裂。

 

めしべは茶色のひものようなもの。

柱頭は分裂しません。

 

 

 

 

 

 

 

見るには? 

 

林縁や岩場で見られますが、

普段はあまり紹介していません。

 

カヤツリグサ科で地味ですが、

花期には紹介したりしています。

興味のある方はリクエストしてください。

 

森歩きで行く、

初寝山で紹介しています。

 

森歩き

 

東平&初寝山(森歩き)

 

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    この記事を書いた人

    吉井 信秋

    大阪市旭区生まれ。 茨城県立水戸一高で硬式野球部所属。 北海道大学農学部林産学科(現・森林科学科)卒業。 某企業に就職、栃木県鹿沼市の研究所に配属される。 数年後、異動により東京勤務。さらに数年後、依願退職。 その後、小笠原・父島に移住。 島でいくつかの仕事を経験後、2000年独立開業。 小笠原で山歩き、森歩き、戦跡などの陸域専門ガイドを勤める。

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