南島で分布を広げる広域分布種・シロツブ
目次
概要
海岸性の常緑つる性低木、
シロツブ(マメ科・広域分布種)。
地上部をはうように広がります。
とげがあるので、触れるとかなり痛いです。
花期は9-10月ぐらいからです。
黄色の5弁花をつけます。
その後、
大きな果実(豆果・莢)をつけます。
豆果もとげにおおわれています。
豆果はのちに割れて、
和名の由来となった種子が落ちます。
小笠原での分布は各島となっていますが、
兄島は含まれていません。
兄島には本当にないのでしょうか?
気になります。
父島ではめったに見ませんが、
(’23/1月、境浦山中で自生を確認)
南島ではかなり広がっています。
和名
シロツブは「白粒」と書きます。
シロツブは
種子からの由来のようです。
白っぽい大きめの球形です。
ツブというには大きい気がしますが・・・
他にリスノツメ(栗鼠の爪)ともいうようです。
これも種子からの由来でしょうか?
島名としてバラノミ(薔薇の実)があります。
バラの果実は丸みを帯びています。
これも種子の形からの由来でしょうか?
実際の様子
岩の上をはうように生えています
つる性なので、どんどん広がります
9-10月頃より
総状花序に多くの花をつけます
総状花序
下から順に咲き始めます
花は黄色5弁
黄色の5弁で
上向きの1弁は赤い線が入っています
おしべ10、めしべ1
豆果(莢)
豆果もとげだらけ
黒っぽい色に変わってくると、
口が開いて、種がこぼれ出します
種子は径2㎝ほどの球形
1つの莢に
1-3個ほど種が入っています
いかにも海流散布に適した感じです
葉は2回羽状複葉
枝や葉柄にもとげがあります
南島の状況(’22/12月時点)
南島ではかなり広がっています。
多くの果実がこぼれて、
実生の発生も相当増えています。
つる性なので、
既存の低木などの上にもからみついていききます。
また、これが広がると、
とげもあって、海鳥の繁殖にも影響があるそうです。
最近は、
適宜枝打ちなどして、分布拡大を抑えています。
岩場で広がる様子
尾根上で広がる様子
クサトベラ群落内に広がる様子
同上
見るには?
父島ではほとんど見ていません。
ブタ海岸や小港に
ひょっとしたらあるかもしれません。
ということで
ツアーなどでご紹介するのは難しいです。
南島にはあちこちに生えていますが、
ルート沿いからは少し離れています。
そのため、
観光利用では近くでは見られません。
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