「日本の戦争」(田原総一朗)
目次
概要
2000年発行、
「日本の戦争」(田原総一朗)。
日本の戦争(小学館文庫) | 書籍 | 小学館 (shogakukan.co.jp)
幕末から太平洋戦争開戦にいたるまでの経緯を
丁寧に描きます。
各章ごとのタイトルが、
よく知られた言葉ですが、4文字の標語のようです。
その言葉で時代背景がよく表現されています。
幕末から太平洋戦争まで、
何度も歴史を変えるチャンスはあったかと思います。
しかし、破滅に進んでしまいました。
日本は
独裁者1人の力でこうなったわけではありません。
軍部の力が強かったのは事実です。
しかし、開戦までに、
多くの会議もありながら、こうなったのです。
目次
第1章 富国強兵―「強兵」はいつから「富国」に優先されたか
第2章 和魂洋才―大和魂とはそもそも「もののあはれを知る心」だった
第3章 自由民権―なぜ明治の日本から「自由」が消えていったか
第4章 帝国主義―「日清・日露戦争」「日韓併合」は「侵略」だったのか
第5章 昭和維新―暴走したのは本当に「軍」だけだったか
第6章 五族協和―「日本の軍事力でアジアを解放」は本気だった?
第7章 八紘一宇―日本を「大東亜戦争」に引きずり込んだのは誰か
感想
明治の初め、征韓論がありました。
その時は却下されたものの、のちに結果として、
日清・日露戦戦争後、日本は韓国併合にまで至ります。
動き出した歴史の歯車は
止まりませんでした。
そののち、
満州事変、日中戦争、太平洋戦争へと続いていきます。
満州事変ぐらいまでで何とか止めていれば、
歴史は変わっていたかもしれませんね。
日本には独裁者がいたわけではありません。
ただし、
軍部独裁という表現はあります。
制度として、それを可能としたのが、
「統帥権」だったのではないでしょうか。
統帥権は
三権からは独立したものとなっていきました。
つまり政治家が関与できなくなったのです。
軍部の力も強くなり、
クーデターや暗殺も行われています。
これでは文民が恐れをなすのも当然です。
言いたいことも言えなく風潮はあったのでしょう。
内閣の制度にも問題があったかもしれません。
閣内不一致になると、総理大臣が辞任していました。
軍部が強くなると、
陸軍・海軍大臣は軍部の意のままに人物となっていきます。
総理大臣は組閣もできなくなっていました。
民衆の力もあったかと思います。
軍部によるメディア操作もあったでしょうけれど、
民衆の後押しがなければ、世の中は動かしにくいものでした。
ただ、歴史の場面場面で、
歴史が変わるチャンスはあったかと思います。
参考
前の記事へ
次の記事へ