ハハジマノボタンとイオウノボタン
目次
ハハジマノボタンとイオウノボタン
概要
ムニンノボタン、ハハジマノボタン、イオウノボタン、
小笠原で固有のノボタン科3種です。
(南硫黄島には広域分布種のノボタンもあり)
これは小笠原の世界自然遺産ロゴマークです。
小笠原のクライテリアは「生態系」です。
小笠原では動植物に種分化が起き、生態系における重要なの価値の1つとなっています。
その象徴として固有のノボタン3種が左上に描かれています。
特徴がよく出ています。
左の白花4弁がムニンノボタン、上の薄桃色5弁がハハジマノボタン、
右下の薄紫5弁がイオウノボタンです。
ここでは
ハハジマノボタンとイオウノボタンを紹介していきます。
ハハジマノボタンは母島で、イオウノボタンは北硫黄島で、
それぞれ僕が見て、写真を撮ったものです。
小笠原ではノボタンの仲間の生息地は
おおむね標高が高い雲霧帯になりやすいところです。
例外は雲霧帯がない父島です。そこでの分布は標高250M程度。
ハハジマノボタン
母島のみに自生します。
雲霧帯になるような乳房山や境ヶ岳の稜線に自生します。
花期は6-7月頃で、
父島のムニンノボタンより1ヶ月近く早いです。
花は淡紅色5弁、
おしべ長・短5ずつの10(長・葯は紫、短・葯は黄で、5ずつ)、めしべ1です。
葉は5行脈です。
イオウノボタン
北硫黄島だけに自生。
やはり標高尾500M以上の雲霧帯で自生しています。
イオウノボタンは、ノボタンの変種とされています。
花期は7-8頃と、ムニンノボタンと同じぐらいです。
花はハハジマノボタンよりさらに濃い紅紫色5弁。
おしべ10(長・紫葯5、短・黄葯5)、めしべ1です。
葉は5-7行脈です。
イオウノボタンもまれには4弁があるようです。
ムニンノボタン、ノボタン
ちなみに、ムニンノボタンはすでにこのブログでも紹介しています。
これで小笠原のノボタン固有種3種を紹介しました。
残念ながら、
南硫黄島に行ったことがないので、広域分布種のノボタンは紹介できません。
火山噴火できたわりと新しい島の火山列島。
ノボタンがあって、変種のイオウノボタンがあるということは、
隔離されて、かなり早く進化が進んでいると言えるのだろうと思います。
見るには?
北硫黄、南硫黄には、観光で行くことができません。
母島のハハジマノボタンは、乳房山の歩道などで見られます。
父島のムニンノボタンは保護増殖株の植栽地ですが、
東平や村民の森などで見られます。
森歩きツアーで訪れます。
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