夜明・湾岸道路での自生植物(16)テリハボク
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夜明・湾岸道路での自生植物(16)テリハボク
夜明・湾岸道路一周で見られる自生植物は90種類ほどあります。
奥村・旭橋から時計回りで、主には見られた順に紹介していきます。
(16)テリハボク(フクギ科・広域分布種)
テリハボクは海岸性の代表的な樹木です。
かなり大木にまで成長します。
木肌がかなり黒っぽく、
果期にゴルフボールぐらいの丸い果実をつけるのが特徴的です。
小笠原各島の海岸や海岸に近い場所に生えています。
戦前に山地の道沿いや防風林として植栽されたところがあり、
大きく成長しているのもあります。
このルート沿いでは、
湾岸道路(扇浦-奥村)で普通によく生えています。
山地の方でも、わずかですが生えていたりもします。
島一周 | 小笠原マルベリー (ogasawara-mulberry.net)
和名
テリハボクは「照葉木」と書きます。
葉の表面は和名の由来の通り光沢があります。
島名はタマナで、
これは南洋の島(ミクロネシアあるいはポリネシア)から来たようです。
小笠原ではテリハボクよりタマナの方が知られています。
花
7月ごろから、花期を迎えつつあります。
総状花序の先に、ヒメツバキより少し小ぶりの白花をつけます。
花と萼片がほぼ同じ白色で、一見、区別がつきません。
つまり、花弁が8のように見えます。
手前の大きめの4弁が花弁、奥側の大2弁・小2弁が萼片です。
おしべ多数、めしべ1で、
めしべは赤い子房がアクセントになっています。
葉
葉は対生、楕円形で15-20cmほどの大きさで、表面は光沢があります。
テリハボク(照葉木)という通りです。
樹皮
樹皮は黒っぽくて、表面に大きめのひび割れが入ります。
果実
果実はゴルフボールぐらいの球状。
種子は食用になりませんが、オイルを取ることができるようです。
タマヌオイルといわれています。
果実は海にも浮き、海流散布に適しています。
外側の果肉の部分は、オオコウモリの餌にもなるようですが、
オガサワラオオコウモリはそれほど好んでいないように感じます。
同じ海岸性のモモタマナ果実にはよく来ています。
外来種?
テリハボクは広域分布種となっていますが、外来種疑惑もあります。
実際に大東島では持ち込まれたようです。
本種は海流散布タイプです。
同じ海岸林で、
海流散布のモモタマナと遺伝的な面を比較すると、違いがあります。
モモタマナは大きくは2つの遺伝的グループに分けられ、
聟島・父島列島と母島列島で優先のグループが分かれています。
しかしテリハボクは
3つのグループに分けられるものの、地理的な関係がありませんでした。
解説では、各島への植栽の影響となっていましたが、
そもそもが持ち込まれたからと考えることもできます。
ツアーでは
テリハボクハどこの海岸でも生えています。
浜辺にいったときに紹介することもあります。
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