夜明・湾岸道路での自生植物(13)シマムロ
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夜明・湾岸道路での自生植物(13)シマムロ
夜明・湾岸道路一周で見られる自生植物は90種類ほどあります。
奥村・旭橋から時計回りで、主には見られた順に紹介していきます。
(13)シマムロ(ヒノキ科・固有種)
小笠原は海洋島です。
普通、海洋島には、針葉樹やブナ科植物がたどりつけないのが定番です。
ガラパゴスやハワイにも自生針葉樹はありません。
しかし、小笠原には一種だけあります。それがこのシマムロです。
したがって、自生のヒノキ科植物も本種だけです。
なお現在、持ち込まれた針葉樹が複数種、野生化しています。
シマムロは「島榁」と書きます。
内地ではネズのことをムロ(モロ)と言います。
シマムロがネズに似ているということなのでしょう。
小笠原での分布は父島列島です。
父島では低木性の尾根や岩場に多く生えますので、
それほど珍しい種でもありません。
ただし、高木性のエリアではかなりまれです。
この道路沿いでは、夜明道路(奥村~中央山区間)で見られます。
島名はヒデノキ・ヒデで、
樹脂が多く、火のつきがいいため、焚きつけに使われところからのようです。
<樹高>
普通は低木性で1-2m程度ですが、
4-5mの小高木そのものもまれにあります。
<雌雄異株>
本種は雌雄異種なので、花期・果期に見れば雌雄が分かります。
花期は4-5月頃です。
花期、雄株には雄球花がつき、茶色で多数のおしべからなります。
触ったりすると、花粉が飛びます。
雌株には雌球花がつき、果期には直径1cm程度の球果となります。
果実は長期間ついているので、
雌雄の見分けは果実のありなしが、比較的、簡単です。
<葉>
葉は三輪生で、長さは1-2cm程度で、先が尖っています。
尖っているとはいっても、それほど痛くありません。
枯れ木
低木性で生えていたシマムロは、枯れて葉が落ちると、
独特の形のオブジェのような白い幹・枝が目立ちます。
そして、シロアリにも食われにくいのか、
幹・枝は白くなっていますが、いつまでもかたいまま残っています。
枯れ木は形が独特なので、売るほどの価値がありそうな気がします。
ツアー
本種は、普通、森歩きツアーで紹介します。
本種は道端にもあるので、興味があれば、
景観ツアーでも、車で通ったときにご紹介できます。
千尋岩コースでも終点付近にあります。
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