小笠原マルベリー

夜明・湾岸道路での自生植物(17)ムニンアオガンピ


 

夜明・湾岸道路での自生植物(17)ムニンアオガンピ

 

夜明・湾岸道路一周で見られる自生植物は90種類ほどあります。

奥村・旭橋から時計回りで、主には見られた順に紹介していきます。

 

 

(17)ムニンアオガンピ(ジンチョウゲ科・固有種)

 

ムニンアオガンピは固有種で、各島に分布します。

 

常緑低木性で、

分布は低木性・小低木性のところが主となります。

 

和名では「無人青雁皮」と書きます。

ガンピは落葉樹ですが、アオガンピは常緑だからアオがついたのでしょうか?

 

小笠原でジンチョウゲ科植物は本種のみです。

 

島名は、現在ほとんど使われませんが、「サクラコウゾ」です。

樹皮がサクラに似ているからのようです。

 

このルート沿いでは、

主に長崎から中央山までの夜明道路で見られます。

湾岸道路でも生えているところはあります。

 

 

 

 

 

 

 

花期は、

春(3-4月)と秋(10-11月)ごろと、年2回あります。

花の数はかなり多いのですが、小ぶりで、あまり目立ちません。

花が咲いてすぐは、わずかに芳香があります。

 

 

花弁はありません。花弁のような4裂の萼片です。

筒部の中に、おしべ8・めしべ1があります。

雌雄異株ですが、筒部が小さいので、わかりにくいです。

 

 

筒状部を開くと、雌雄がわかります。

写真では

左が柱頭が膨らみ、葯は痕跡程度で雌株。

右が葯がしっかりついていて、柱頭がはっきりしない雄株、

わかりますか?

なお、葯も柱頭もある雌雄同体もあるようです。

 

参考資料 http://ogasawara-info.jp/pdf/isan/shiyu.pdf

 

 

 

 

葉はこぶりで対生、色は明るい黄緑色。

表面には毛があります。

 

 

 

 

樹皮

 

 

サクラコウゾといわれただけあって、サクラの木肌に似ています。

 

ムニンアオガンピの樹皮も和紙の原料になるものでしょうか?

 

 

 

ツアーでは

 

山の方に行けば、道沿いでも生えているので、

森歩きはもちろん、島内観光でも紹介できます。

 

 

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    この記事を書いた人

    吉井 信秋

    大阪市旭区生まれ。 茨城県立水戸一高で硬式野球部所属。 北海道大学農学部林産学科(現・森林科学科)卒業。 某企業に就職、栃木県鹿沼市の研究所に配属される。 数年後、異動により東京勤務。さらに数年後、依願退職。 その後、小笠原・父島に移住。 島でいくつかの仕事を経験後、2000年独立開業。 小笠原で山歩き、森歩き、戦跡などの陸域専門ガイドを勤める。

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