地味で目立たない腐生のムニンヤツシロラン
目次
概要
無葉緑腐生植物のムニンヤツシロラン(ラン科・固有種)。
腐生植物は、菌類と共生して栄養素を得て生活するもので、
光合成をする緑の部分が全くありません。
本種は地味な薄褐色で、
草丈も20cm程度なので、まったく目立ちません。
花も同様な色です。
多年草ですが、夏場は地上部は出ていなくて、
花期が近づくと茎がのびてきます。
花期は12月頃からです。
茎の先端部の総状花序に複数の花(10以下)をつけます。
なお本種は
アキザキヤツシロランと同種とする見解もあるようです。
和名
ムニンヤツシロランは「無人八代蘭」と書きます。
無人(小笠原)と八代(熊本)、2つの地名が入っています。
小笠原のヤツシロランということです。
八代とは、熊本の八代のことで、
ヤツシロランがその地で発見されたことからのようです。
茎の伸張
茎が伸びて花序が出てくる頃
開花した状態
花
総状花序の先に複数(10以下)の花をつけます。
花色は帯紫褐色ですが、花の先端部は黒褐色。
花冠は鐘型、
萼片3と側花弁2が合着して筒状となっています。
内部の下が唇弁1、
上が蕊柱1(おしべ・めしべが一体となったもの、白っぽいのが柱頭)
果実
花期のあとしばらくして、果実がつきます。
果実は蒴果となります。
蒴果には細かい種子がいっぱい詰まっています
ツアーでは
例年、確実に見られる場所はほぼ決まっています。
リクエストがあれば、森歩きでご紹介できます。
確実ではないですが、千尋岩コースでも見られる年があります。
前の記事へ
次の記事へ