「島津奔る 上・下巻」(池宮彰一郞)
目次
概要
1998年発行、
「島津奔る 上・下巻」(池宮彰一郞)。
本書は現在はすでに絶版です。
主人公は島津義弘。
タイトルの「島津奔る」とは、
関ヶ原の戦いのため、
薩摩にいる家来たちが奔って行く様です。
奔るは、はしるで、走ると同義です。
そして、戦のあとの退却も、
義弘を守りながら、奔って行きます。
内容
秀吉による朝鮮出兵の退却のころから、
関ヶ原での退却のころまでの、
義弘の活躍が描かれています。
関ヶ原のあと、多くの犠牲を出しながらも、
義弘は無事薩摩に戻ります。
本当なら取りつぶしになってもおかしくないのですが、
手強い薩摩は家康との和議を有利に結びます。
島津義久は、戦略・戦術・実戦ともにもすぐれ、
家康ですら一目置いた男。
家康は義久を恐れていたかもしれません。
ちょうど秀吉・家康の時代にこの人物がいたからこそ、
島津家は持ちこたえたのかもしれません。
彼には兄・義久がいました。
義弘は義久の跡を継ぎ当主となるのですが、
義弘が現場にたち、義久が薩摩に残っています。
この2人は一枚岩ではなく、
義久は義弘の足を引っ張るようなこともありました。
そこには嫉妬という感情もあったようです。
読み応えのある歴史小説でした。
参考
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