小笠原マルベリー

葉が紋羽のような感触のモンパノキ


 

概要

 

海岸性の樹木、

モンパノキ(ムラサキ科・広域分布種)。

父島では

大村海岸沿いや南島で多く見られます。

 

クサトベラと同程度の低木性のものが多いですが、

小高木程度になっている個体もあります。

 

小笠原では

唯一のムラサキ科自生植物です。

分布は父島およびその周辺小島がほとんどです。

(ただし姉島にもあるようです)

モンパノキ(ムラサキ科・広域分布種)の花は

通年で咲いています。

一年中花序が出ていて、

そのどこかで花をつけています。

そのため花期はあまり明確でないように感じます。

果実も同様ですね。

ちなみに

夜明・湾岸道路一周ルート沿いには生えていません。

 

島一周 | 小笠原マルベリー (ogasawara-mulberry.net)

 

 

 

 

 

 

和名

 

モンパノキは

「紋羽の木」と書きます。

 

モンパノキの葉は

肉厚で毛が生えてざらざらした触感です。

その葉を

起毛した綿織物のに見立てようです。

だからモンパノキ。

 

紋羽とは – コトバンク (kotobank.jp)

江戸時代の産業―紋羽織―(2015年8月)/阪南市 (hannan.lg.jp)

起毛とは・起毛効果 | 島本化繊起毛工場

 

 

島名はメガネノキ(メガネの木)です。

かつて、

水中メガネの枠に使われたということです。

(今でいうゴーグルですね)

 

実物は見たことがありませんが、

沖縄の下記サイトで紹介されていました。

水中メガネ、沖縄県が世界初! | アイランド倶楽部 (okinawa123.jp)

海人の町 糸満 (itoman.or.jp)

糸満 海人工房・資料館 | 写真アーカイブ | ミーカガン (hamasuuki.org)

 

 

 

 

 

 

生えている様子

 

海岸で立ち上がっている個体、樹高4m程度

 

砂地に低木状の個体、樹高1.5m程度

 

花冠はブロッコリーのような形

 

一年中花序が出ていて、

そのどこかで花をつけています

 

花序の柄は長め

 

花は小さい白花5裂、おしべ5、めしべ1(柱頭2裂)

 

花も果実もついた様子

果実は直径5㎜程の球形

 

葉は枝先に集中します

その中心から花序がのびます

 

 

 

葉は肉厚で、形はさじ型

 

葉の表面は毛が生えてざらざらした触感

銀白色の短毛

 

葉の裏面の毛がより目立ちます

 

幹は松肌のようで、かなり深い亀裂が目立ちます

 

 

 

 

 

見るには?

 

父島では海岸の各所に生えています。

(生えていない海岸もあります)

 

海岸に出たときには、

各種ツアーで紹介することがあります。

 

普段それほど紹介はしていませんので、

興味のある方はリクエストしてください。

 

 

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    この記事を書いた人

    吉井 信秋

    大阪市旭区生まれ。 茨城県立水戸一高で硬式野球部所属。 北海道大学農学部林産学科(現・森林科学科)卒業。 某企業に就職、栃木県鹿沼市の研究所に配属される。 数年後、異動により東京勤務。さらに数年後、依願退職。 その後、小笠原・父島に移住。 島でいくつかの仕事を経験後、2000年独立開業。 小笠原で山歩き、森歩き、戦跡などの陸域専門ガイドを勤める。

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