「信長の原理 上・下」(垣根涼介)
目次
概要
2018年発行(文庫本は2020年、上・下に分冊)、
「信長の原理 上・下」(垣根涼介)。
「信長の原理 上」 垣根 涼介[角川文庫] – KADOKAWA
信長とは
もちろん織田信長のこと。
信長の幼少期から本能寺の変までの生涯を描きます。
歴史小説は、史実に基づきながら、
個々の事象は著者の主観で彩られていきます。
司馬遼太郎本しかりです。
この本も、
かなり垣根氏の主観で彩られています。
本書は
織田信長が主人公です。
主に信長の視点での心情・行動が描かれます。
場面によっては、
明智光秀や羽柴秀吉などからの視点もあります。
本書は
「光秀の定理」に続く歴史ものです。
(つながりはありません)
内容
信長は幼少のころ、
アリの動きをよく見ていました。
彼には
蟻の行動原理がいつも頭にあります。
よい、普通、悪いが2:6:2の原理です。
現代では
パレートの法則として知られています。
戦の中でも、
その原理を部下にあてはめながら考えていました。
信長は、
他人の恩を感じる人物であるとともに、
一方で、裏切者は決して許しませんでした。
松永久秀だけは例外だったようですが、
最後は攻められ、自害します。
同盟者である徳川家康は
いつか攻め滅ぼそうということも考えていました。
働きぶりが落ちてきた見方の将にも
きびしいところがありました。
織田家の内輪もめ(信長派と長男・信忠派)を防ぐ手立ても
考えていました。
信長といえば、
クライマックスはやはり本能寺の変。
明智の心変わりを
垣根流に描いています。
明智の行動の真実はどうだったのでしょうね?
これは永遠に謎でしょう。
垣根氏と小笠原
垣根氏は
僕が実際にあったことのある数少ない作家です。
小笠原でガイドしました。
この旅は取材旅行で、
のちに小笠原を題材とする作品となりました。
参考
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