雄性両全性異株ムニンハナガサノキ
目次
概要
常緑つる性低木、
ムニンハナガサノキ(アカネ科・固有種)。
林内や夜明道路沿いでは
オオシラタマカズラやオキナワテイカカズラの方が目につく。
本種も個体数はそれなりにあると思うが、
父島ではこの花を見るのはわりと苦労する。
花のサイズもごく小さい。
花期は6月ごろ。
他の樹種にからみついていて、
下方に下がっていれば間近で見られることがある。
花は小さくて目立たないのだが、
果実は特徴のある形で、やや目立つ。
果期は涼しい時期。
<果実の形>
ムニンハナガサノキは父島列島に分布する。
母島列島には
ハハジマハナガサノキが分布する。
なお上記2種は、
ハナガサノキと同種とする見解もあるようだ。
雄性両全性異株について
花のタイプは少し変わっている。
雄性両全性異株である。
植物の雌雄性: タイプ分け (fukuoka-edu.ac.jp)
雄性両全性異株は
株ごとに雄株と両性株に分かれている。
(比率は不明)
これは
被子植物の中では珍しい特徴だそうだ。
本種のの場合、
両性株はおしべ、めしべともあるが、
雄株は、めしべが完全退化している。
ちなみに、
近縁種・ハナガサノキは雌雄異株のようだ。
和名
ムニンハナガサノキは
「無人花笠(花傘)の木」と書く。
小笠原(無人・ムニン)の
花序の形が花傘に似た木という意味。
実際の様子
つるでのびて生えている様子
花期が来ると枝先に花序がつく
花冠は白4裂、おしべ4,めしべ1
(雄株はめしべが退化)
両性株花
同上拡大
めしべの柱頭(2裂)が目立つ
おしべは目立たないがある
雄株花
雄株花拡大
雄株花拡大
おしべ4が目立つ
めしべは退化
葉のつきかたは対生
葉は丸みをおび、葉先はやや尖り気味
表面には細かい葉脈が見える
両性株の花はのち果実がつく
果実は直径1㎝程の球形の集合果
赤味を帯びる
見るには
父島は山地の方で時々目にする。
東平や巽道路終点付近は見つけやすい。
どちらも指定ルートなので、
観光の方はガイドツアーで。
ツアーでは森歩きで訪れる。
あまり目立たない植物なので、
それほど紹介はしていない。
興味のある方はリクエストを。
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