夜明・湾岸道路一周での自生植物(5)ヤロード
夜明・湾岸道路一周での自生植物(5)
ヤロード
夜明・湾岸道路一周で見られる自生植物は90種類ほどあります。
奥村・旭橋から時計回りで、主には見られた順に紹介していきます。
(5)ヤロ-ド(キョウチクトウ科・固有種)
和名のヤロードは英語が転じたものといわれています。
だから漢字はありません。
語源は「YELLOW WOOD」で、「黄色の木材(木)」という意味です。
英語で発音した「イエローウッドを」日本人が聞いたときに、
ヤロードと聞こえたものと想像します。
本種は父島では広く分布する高木性の樹木ですが、
よく目にするのは中高木程度のもの。
道沿い、林縁でよく見かけます。
花期は普通4-5月頃からですが、かなり長期間、花は見られます。
一斉に咲くというより、パラパラと咲いている感じが多いです。
近づくと芳香もあります。
花冠はこぶりで白5裂です。裂片は平開し、筒部は短めです。
筒部の中におしべ5,めしべ1(花柱2裂)です。
おしべ、めしべは、肉眼ではかなりわかりにくいです。
果実は長さ5-6CMの楕円形。2つが対になってつき、黄色に熟します。
見た目はおいしそうなのですが、食用利用は聞いたことがありません。
葉は長楕円形で数枚が輪生しています。
特徴的なのは葉脈で
主脈から出る多数の側脈が、主脈とほぼ直角に出て、平行に並んでいます。
葉は園芸種のプルメリアとやや似ています。
ちなみにプルメリアもキョウチクトウ科です。
ヤロードは小笠原諸島に広く分布しますが、
ホソバヤロード(固有種)は北硫黄島だけに自生します。
僕は北硫黄島に、かつて、調査で4日間訪れましたが、
ホソバヤロードは見た記憶がありません。
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