小笠原マルベリー

夜明・湾岸道路一周での自生植物(7)ウラジロエノキ


 

はじめに

 

夜明・湾岸道路一周で見られる自生植物は

90種類ほどある。

奥村・旭橋から時計回りで、

主には見られた順に紹介していく。

 

 

 

 

(7)ウラジロエノキ(アサ科・広域分布種)

 

本種は典型的なパイオニア種。

ウラジロエノキ – Wikipedia

 

台風などで倒木ができ、明るくなったりすると、

すぐに幼樹がのびてくる。

その後、林冠が閉鎖すると、

日陰で育たないものも多くある。

道路沿いなどの林縁も、

片側は明るいので、育ちやすい場所。

 

順調に育つと、

かなり大きな樹木にまで成長する。

道路沿いでも大きな個体がいくつかある。

 

幹はシロアリなどにやられやすいようで、

大きな木が立ち枯れしているのをたまに見かける。

 

小笠原ではアサ科の植物は

本種とクワノハエノキ(広域分布種)の2種。

 

小笠原のクワノハエノキは、

かつてはムニンエノキ・固有種とされていた。

現在は、

クワノハエノキと同種とする見解になった。

 

 

 

 

和名

 

ウラジロエノキは「裏白榎」と書く。

 

葉の裏が白くて、エノキの仲間という意味。

 

 

 

 

 

生えている様子

開放区に密生して生えている様子

まだ10年以前程度の樹齢

 

一見、葉は羽状複葉のようだが、互生

羽状複葉なら、

小葉の部分に花がつくことはない

 

集散花序の先に小花を多数つける

花は、後ろの親指の爪よりさらに小さい

 

花弁5、おしべ5、めしべ1

緑の萼片の内側に白くて細い花弁が見えます。

肉眼で見てとき、萼片は分かるが、

花弁はかなり分かりにくい

 

ごく小ぶりなウラジロエノキ花

 

 

葉腋に多数の果実

初めは緑でのちに黒熟する

 

ウラジロエノキ、黒熟した果実(’23/11月下旬)

 

 

 

見るには?

 

個体数は多いのですが、

あまり目立つ特徴もなく、地味な感じの樹木のため、

紹介することは少なめ。

 

各種ツアーで紹介はできる。

 

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    この記事を書いた人

    吉井 信秋

    大阪市旭区生まれ。 茨城県立水戸一高で硬式野球部所属。 北海道大学農学部林産学科(現・森林科学科)卒業。 某企業に就職、栃木県鹿沼市の研究所に配属される。 数年後、異動により東京勤務。さらに数年後、依願退職。 その後、小笠原・父島に移住。 島でいくつかの仕事を経験後、2000年独立開業。 小笠原で山歩き、森歩き、戦跡などの陸域専門ガイドを勤める。

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