10-11月頃が花期のウチダシクロキ
目次
概要
10-11月頃が花期の、
ウチダシクロキ(ハイノキ科・固有種)。
ウチダシクロキは土壌のわずかな岩石地に自生し、
樹高も1-2mと小低木。
小笠原でハイノキ科植物は3種。
そのうち父島には、
2種(ウチダシクロキ・チチジマクロキ)がある。
ウチダシクロキの分布は父島だけ。
’20は花期が少し早いようで、
2箇所で確認したが、11月下旬ではほぼ花が終わっていた。
かろうじて2つほど確認ができた。
(写真は6裂の花冠だが、普通は5裂です)
和名
ウチダシクロキは「打ち出し黒木」と書く。
クロキの仲間で、
葉の特徴からウチダシとつけられたのだろう。
なお科名のハイノキとは、
「焼くといい灰ができる」ところからのようだ。
種分化
小笠原に自生するハイノキ科は3種で、
ウチダシクロキ、チチジマクロキ、ムニンクロキ。
内地のクロキとの共通祖先種がたどり着いたのち、
固有種に進化し、分化していったようだ。
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それぞれの分布は
ウチダシクロキが父のみ、チチジマクロキが父・兄、
ムニンクロキが向島のみ。
それぞれの分布がかなり限られる。
父島で自生する2種は、
ウチダシクロキが小低木で岩場や風衝地に、
チチジマクロキが低木で乾性低木林に生える。
花、葉、果実
葉腋に複数の花がつく
花は乳白色、5深裂(5弁ではない)
おしべは多数、5束生(五体雄蕊)、
めしべは1(柱頭は3裂)
葉は互生し、
かなり肉厚で、つやがある
より特徴的なのは、
葉のふちが著しくカールしているところ
さらに表面の葉脈は陥入しています。
熟す前の果実(黒熟する)
楕円球形で長径2㎝ほど
黒熟した果実
見るには
残念ながら、
観光ルート沿いには本種がなく、ご紹介できない。
園地などでの植栽のものもない。
近縁種のチチジマクロキは、
森のツアーでご紹介できる。
参考
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