山地に生えるシマウツボの黄花
目次
概要
2月下旬、
シマウツボ(ハマウツボ科・固有種)の花が
咲き始めていました。
毎年群生して出てくる定番の場所で
見つけました。
シマウツボは寄生植物の多年草。
地下で他の植物の根に寄生しています。
父島ではほとんどが
ヤロードに寄生しているようです。
きのこの菌根菌のようなものでしょうか?
寄生植物で光合成の必要もないせいか、
緑の部分は全くなく、茎も花も黄色です。
本種は果期がおわると、地上部は枯れていて、
花期が近づくと、地上部に茎が出てきます。
その後、茎から穂状花序を出します。
小笠原で
ハマウツボ科自生種は本種のみです。
分布は父島と母島の湿潤な山中です。
近縁種のハマウツボは名前の通り海岸性ですが、
シマウツボは前述の通り湿潤な山中に分布します。
和名
シマウツボは「島靫」と書きます。
小笠原(シマ)に自生するウツボです。
靫(うつぼ)とは弓矢を背負う道具で、
花の形がウツボに似ているからウツボです。
花と茎
茎も花も同じ黄色。草丈は10cm程度のものが多いです。
茎の上部に穂状花序がつきます。
花冠は上唇1、下唇3裂です。
花冠は産毛のようなものがついています。
おしべ4、めしべ1です。
昨年の花のあとです。
果実(種)はつけたのでしょうか?
寄主について
2020年度の修士論文報告によると、
父島では
おもにヤロード(キョウチクトウ科・固有種)に寄生しているようです。
その樹木を選んでいる理由はまだ分かっていないようです。
シマウツボの近くのヤロードがおおむね寄主です。
見るには?
定番の場所は数カ所あります。
自分で見つけるのは難しいかもしれません。
強いていえば、
コペペ-小港の歩道が見つけやすいかもしれません。
花期は
森歩きや千尋岩ツアーでも紹介しています。
前の記事へ
次の記事へ