夜明・湾岸道路での自生植物(53)ハツバキ
夜明・湾岸道路での自生植物(53)ハツバキ
夜明・湾岸道路一周で見られる自生植物は90種類ほどあります。
奥村・旭橋から時計回りで、主には見られた順に紹介していきます。
(53)ハツバキ(プトランジーヴァ科・固有種)
ハツバキは、
雌雄異株で低木~小高木の固有種です。
地味で目立たないな樹木ですが、
花も小さく地味なので、花期でもまったく目立ちません。
花期は6-7月です。
花は雌雄異株なので、雌雄で形態が異なります。
小笠原では各島に広範囲に分布します。
目立たないですが、個体数はわりと多いです。
乾いた山地に生えていることが多く、
低木林のところや林縁などでよく見られます。
ハツバキは和名からするとツバキ科のようですが、
実はあまり聞き慣れないプトランジーヴァ科(ツゲモドキ科)です。
以前はトウダイグサ科とされていました。
葉などがツバキと似ていて、
紛らわしい和名がついたのですね。
小笠原ではこの科の植物は本種のみです。
国内ではツゲモドキがあります。
ハツバキはツゲモドキが近縁種のようです。
小笠原諸島産ハツバキ(トウダイグサ科ハツバキ連)の花の形態とその分類学的意味 (jst.go.jp)
この夜明・湾岸道路ルート沿いでは、
長崎から中央山にかけ数本見られます。
島一周 | 小笠原マルベリー (ogasawara-mulberry.net)
ハツバキは
ホラズミクチバの食草となっているようです。
和名
ハツバキは「葉椿」。
葉などがツバキに似ているところが由来のようです。
ただし葉には鋸歯はありません。
説明板
樹形
道路沿いにある樹高4-5mほどの個体(中央の樹木)。
山頂にある樹高2mほどの個体。
花
雌雄異株のため、雄株と雌株の花の形状は異なります。
雌雄とも花弁・萼片はなく、苞葉(苞)4のようです。
*花のつくりは要調査です(萼片なのか、苞葉なのか)。
雄株の花(雄花)
苞4、おしべ8(変異あり)。めしべはなし。
おしべ6のもの
おしべ6の雄花拡大。
雌株の花(雌花)
現在調査中。
苞4、めしべ1(花柱3裂)です。
葉
葉は対生、形は楕円形(円形近いものもある)。
葉の縁は全縁です。
果実
雌雄異株なので、果実をつけるのは雌株だけです。
果実はこぶりな核果で、黄熟します。
長さ2cmほどの卵形あるいは楕円形。
ツアーでは
地味な植物ですので、
ツアーで紹介することもめったにありません。
強いていえば森歩きで紹介します。
興味のある方はお伝え下さい。
夜明道路沿いでも見られますが
中央山見晴台がわかりやすいです。
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