小笠原マルベリー

乾性低木林で自生するシマムラサキ


 

概要

 

乾性低木林内に自生する低木、

シマムラサキ(シソ科・固有種)。

 

本種は、

日が当たらないような環境で自生する。

樹高はせいぜい2-3mで、

細い幹がヒョロヒョロと生えている。

 

小笠原での分布は

父島、兄島の乾性低木林。

個体数は少ない。

 

父島では、

東平~初寝歩道周辺が自生地。

ルート沿いでもわずかに見られる。

 

本種の仲間は

種分化や雌雄性の分化が見られる。

 

 

 

 

 

 

雌雄異株・種分化

 

 

小笠原のムラサキシキブ属は、

雌雄性の分化と種分化のダブル進化が起きている。

 

雌雄異株  untitled (ogasawara-info.jp)

種分化   untitled (ogasawara-info.jp)

 

内地のムラサキシキブ属では、

こういう雌雄性の分化はないようだ。

この雌雄性分化は、

小笠原での植物進化の事例の1つ。

 

さらに、

本種も含むムラサキシキブ属は、種分化も起きている。

オオバシマムラサキ、シマムラサキ、

ウラジロコムラサキの3種。

 

夜明・湾岸道路一周での自生植物(50)オオバシマムラサキ

 

 

葉の裏が白いウラジロコムラサキ花

 

オオバシマムラサキは父島・母島に広く分布。

他の2種は父島・兄島のみに分布。

 

父・兄に特徴的な乾性低木林内に、

シマムラサキが分布。

さらに父・兄の岩石地などの小低木林に

ウラジロコムラサキが分布。

 

 

 

 

 

 

花期

 

’23/9月下旬、

東平のルート沿いの個体で開花確認。

この個体は雄株(短花柱タイプ)。

 

一般的な花期とされる時期(5-6月)より、

開花時期は遅め。

 

ただし、

この個体は過去もやや遅め(8月ごろ)の開花である。

 

 

 

 

 

和名

 

 

シマムラサキは「島紫」と書く。

 

島(小笠原)に生息する、

ムラサキシキブの仲間という意味。

ムラサキシキブ – Wikipedia

 

 

 

 

 

 

現地の様子

 

ルート沿いの個体

 

細くてパッと見は分かりにくい

樹高は3mほど

かなりヒョロヒョロとのびている

 

 

枝先の方で、集散花序に開花を確認

 

 

この個体は雄株(短花柱タイプ)

 

 

雄花はごくこぶりで淡桃色4裂、

おしべ4、めしべ1(退化タイプもあり)

 

 

葉は対生

表面は無毛でつやつやしている

 

 

 

 

 

 

見るには

 

 

自生地としては

東平から初寝歩道にかけての乾性低木林。

 

東平のルート沿いではわずかに見られる。

 

東平&初寝山(森歩き)

 

ひょろひょろして目立たないので、

見つけるのは難しい。

 

東平はも森歩きで歩く。

定番なので、半日でも、一日でも。

見たい方はリクエストを。

 

森歩き

 

 

 

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    この記事を書いた人

    吉井 信秋

    大阪市旭区生まれ。 茨城県立水戸一高で硬式野球部所属。 北海道大学農学部林産学科(現・森林科学科)卒業。 某企業に就職、栃木県鹿沼市の研究所に配属される。 数年後、異動により東京勤務。さらに数年後、依願退職。 その後、小笠原・父島に移住。 島でいくつかの仕事を経験後、2000年独立開業。 小笠原で山歩き、森歩き、戦跡などの陸域専門ガイドを勤める。

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