小笠原マルベリー

岩場でひっそりと咲くムニンタイトゴメ


 

概要

 

例年11月ごろから花期を迎える

ムニンタイトゴメ(ベンケイソウ科・固有種)。

 

多年草ですが、

夏期は地下で球形のむかご(鱗片葉が密に集まったもの)の状態です。

そのため地上部には出ていません。

 

夏期の終わりごろから再び地上部が出てきます。

地上部が出てしばらくすると花期を迎えます。

果実が終わると、地上部は枯れてしまいます。

 

分布は父島列島(父・兄・弟)だけです。

たいがいは岩場やガレ地で自生します。

父島では旭山南峰、傘山、初寝山などで見られます。

ガレ(ザレ)-山の地形の登山用語 | 山旅旅

 

小笠原で自生のベンケイソウ科植物は2種で、

本種とムコジママンネングサです。

2種とも固有種です。

キンチョウやトウロウソウは外来種です。

 

 

 

 

 

和名

 

ムニンタイトゴメは「無人大唐米」と書きます。

 

小笠原に産する(ムニン)、タイトゴメです。

葉が米(大唐米)に似るところからのようです。

占城稲 – Wikipedia

 

 

 

 

 

生え方

 

岩場に生えている様子

草丈は5㎝ほど 

茎の先端に花をつける

 

 

 

 

花と葉

 

花は黄色、5弁。
おしべ10,めしべは5心皮です。

心皮とは (hananani.com)

ベンケイソウ科 特徴と用語 – 野山の花たち 

 

和名の由来の通り、

葉は肉厚で、確かに米粒のような形をしています。

 

花を近くで見ると、

めしべの5心皮がわかるかと思います。

 

 

 

 

 

 

ベンケイソウ科自生種

 

ベンケイソウ科の自生種は

ムニンタイトゴメだけだった。

聟島列島で

ムコジママンネングサという新種も見つかりました。

 

ムコジママンネングサ(新種)とムニンタイトゴメ

 

よって、ベンケイソウ科自生種は2種です。

 

 

 

 

 

 

ツアーでは

 

父島の観光ルートで見られるところは

2-3か所とわずかしかありません。

また場所によって花期がずれています。

 

いずれの場所も森の中をしばらく歩きますので、

森歩きで紹介しています。

 

森歩き

 

東平&初寝山(森歩き)

こちらは花期がやや遅め(年を越してから)

 

旭山歩道・・幕末に日章旗を立てた山(ふらふ山)

花期がやや早め(11月ごろから)

 

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    この記事を書いた人

    吉井 信秋

    大阪市旭区生まれ。 茨城県立水戸一高で硬式野球部所属。 北海道大学農学部林産学科(現・森林科学科)卒業。 某企業に就職、栃木県鹿沼市の研究所に配属される。 数年後、異動により東京勤務。さらに数年後、依願退職。 その後、小笠原・父島に移住。 島でいくつかの仕事を経験後、2000年独立開業。 小笠原で山歩き、森歩き、戦跡などの陸域専門ガイドを勤める。

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