小笠原マルベリー

「小笠原開拓碑」、大久保利通による撰文・篆額


 

「小笠原開拓碑」大久保利通による撰文・篆額

 

概要

 

明治政府が建立した、「小笠原開拓碑」。

碑では「開拓小笠原島之碑」。

 

詳細情報 : 東京都文化財情報データベース (tokyo.lg.jp)

文化財 | 小笠原村公式サイト (vill.ogasawara.tokyo.jp)

 

扇浦小笠原神社の近くで、

すぐそばには「小笠原新治碑」「にほへ碑」があります。

 

江戸幕府による「小笠原新治碑」

 

筆塚といわれる「にほへ碑」(1862年ごろ)

 

この開拓碑は、

明治政府が小笠原開拓の意義を説いたものです。

 

碑への撰文や篆額で、

明治維新3傑の大久保利通が足跡を残しています。

当時は内務卿だったので、

開拓の責任者でもあったのでしょう。

 

碑文では

大久保利通の名は、「臣利通」として出てきます。

碑文最後には

「大久保利通撰文ならびに篆額」として刻まれています。

ぜひ訪ねて見て下さい。

碑文は漢文ですが、まだ文字もしっかり読めます。

 

碑を刻んだのは「廣群寉」で、

そばの「小笠原新治碑」も同じ人物が刻んでいます。

 

ちなみに、

大久保が暗殺されたのが明治11年5月です。

この碑の日付は明治10年(1877)11月ですが、

実際の建碑は、大久保暗殺以降の、

11年(1878)10月(6月に到着)ということです。

 

この碑には昭和天皇も行幸されています。

 

小笠原開拓碑、昭和天皇行幸地の1つ

 

 

 

 

碑文訳

 

明治の中興、諸政を革新し、大いに辺境を開拓した。

明治6年(1873)、岩倉具視が小笠原の開拓を決議した。

内務卿大久保利通は外務・大蔵・海軍卿と協議し、

方針をたて、それが認められた。

そこで、外務省田辺太一を派遣し、視察させた。

戻ってから、現状を天皇に報告した。

明治9年(1876)、内務小花作助に命じ、

現地人に農、林、漁、牧畜をさせ、島を統治させた。

はじめは1593年(文禄2年)小笠原貞頼が発見し、

木標を建て、わが国の領地と表した。

よって、小笠原島と名づけられた。

延宝3年(1675)幕府は島谷市左衛門を派遣し、巡視させた。

享保12年(1727)貞頼の曾孫の貞任が、先祖の遺志を継ぐべく、

願い出て航海したが、漂流して帰らなかった。

そのうち、日本人も少し移住し、外人もまた移住者が出てきた。

文久元年(1861)水野忠徳を派遣し、住民を説き、法令を頒布し、

新ばりの碑を建て、経緯を記した。

しかし当時、日本は多事ゆえ、経営をうまくできなかった。

それで、今日の開拓を待つこととなった。

日本は四方を海に囲まれ、伊豆から南東方向、

北緯25-6度より、35-6度に至るまで島が連なっている。

小笠原もその1つである。

甲斐から伊豆への山脈が延々とここに(まで)伸びている。

すなわちここは日本の南門である。

役人をおいて行政が機能しないと、住民は安心して暮らせない。

ああ、住民が安心して働き暮らし、役人がその職務を勤めることは、

政府が辺境を開拓するという天皇の意向に沿うものである。

 

大久保利通 撰文ならびに篆額  日下部東作 書 

紀元2537年(明治10年11月・1877)廣群寉 刻

 

 

現地の様子

 

説明板

 

全景 左奥が小笠原新治碑

 

全景  正面

 

本文  「臣利通」と記載

 

本文 「大久保利通撰文並(ならびに)篆額」と記載

 

 

篆額 「開拓小笠原島之碑」

 

 

 

 

訪れるには?

 

扇浦海岸からすぐ。

小笠原神社に上る道の途中・右手。

 

歴史ツアーで定番、

景観ツアーでも訪れたりします。

 

歴史・史跡ツアー

 

自然景観(島内観光)ツアー

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    この記事を書いた人

    吉井 信秋

    大阪市旭区生まれ。 茨城県立水戸一高で硬式野球部所属。 北海道大学農学部林産学科(現・森林科学科)卒業。 某企業に就職、栃木県鹿沼市の研究所に配属される。 数年後、異動により東京勤務。さらに数年後、依願退職。 その後、小笠原・父島に移住。 島でいくつかの仕事を経験後、2000年独立開業。 小笠原で山歩き、森歩き、戦跡などの陸域専門ガイドを勤める。

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