「硫黄島 栗林中将の最期」(梯久美子)
目次
概要
2010年発行、
「硫黄島 栗林中将の最期」(梯久美子)。
本書は、
「散るぞ悲しき」の続編といってもいいかもしれない。
ただし、
内容は栗林中将だけに特化してはいない。
内容は5つのドキュメントよりなる。
そのうち栗林中将に関するのは
〈ドキュメント1〉栗林忠道 その死の真相、1つ。
5つのうち、硫黄島関連が3、父島関連1、
行幸啓関連(硫黄島・小笠原)1となっている。
父島関連は、
戦時中の捕虜に対する不名誉な事件のこと。
こういうことがあったと思うと、
本当に悲しくなる。そして申し訳なく思う。
目次
〈ドキュメント1〉栗林忠道 その死の真相
〈ドキュメント2〉三人の若き指揮官の肖像
〈ドキュメント3〉バロン西伝説は生きている
〈ドキュメント4〉父島人肉事件の封印を解く
〈ドキュメント5〉美智子皇后 奇跡の祈り
文庫本目次
(〈ドキュメント4〉文人将軍 市丸利之助小伝、
が加わる)
〈ドキュメント1〉栗林忠道 その死の真相
〈ドキュメント2〉三人の若き指揮官の肖像
〈ドキュメント3〉バロン西伝説は生きている
〈ドキュメント4〉文人将軍 市丸利之助小伝
〈ドキュメント5〉父島人肉事件の封印を解く
〈ドキュメント6〉美智子皇后 奇跡の祈り
内容について
〈ドキュメント1〉栗林忠道 その死の真相
栗林氏の
死の場面を見た人は誰も生きのびていない。
出撃は3/27日没ともにという証言がある。
栗林中将の最期は謎だが、
著者がさらに調べて、より真実に近い最期を述べている。
過去の当事者の証言というものは、
記憶違い、又聞き、故意などにより、
事実とは違う証言もあることがうかがえた。
聞いた人が総合的にきちんと判断できるか重要。
〈ドキュメント2〉三人の若き指揮官の肖像
〈ドキュメント3〉バロン西伝説は生きている
西の最期は諸説あり、
いくつかが紹介されている。
亡くなった場所は碑の付近であることは間違いないようだ。
著者が西の家族から聞いた話なども
盛り込まれている。
〈ドキュメント4〉父島人肉事件の封印を解く
本書にも登場する堀江参謀の書にも書かれている事件。
〈ドキュメント5〉美智子皇后 奇跡の祈り
硫黄島・小笠原への行幸啓は
平成6年(1994年)2月12-14日にかけて。
(硫黄島を先に訪問してから)
皇后のドキュメントでは、
栗林辞世:
国の為重きつとめを果たし得で
矢弾尽き果て散るぞ悲しき
皇后の御歌:
銀ネムの大木茂りゐるこの島に
五十年(いそとせ)眠るみ魂(たま)かなしき
天皇の御製:
精魂を込め戦ひし人未だ
地下に眠りて島は悲しき
御製・御歌が、悲しきで終わり、
返歌のようだと紹介されていた。
これら5つのうち、ドキュメント3は書下ろしで、
他は文藝春秋に発表したものの加筆修正。
参考
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